分娩台がなかった産科医院②三陰交のツボ
私が10数年前に勤務していた福岡県北九州市の小倉にあった産科医院は、分娩台というものががありませんでした。
普通の和室(お産の部屋と呼んでいた)に畳に敷いたお布団の上で出産をしていました。
残念ながらその産科は閉院してしまいましたが、そこには自然なお産をしたいと希望する妊婦さん達が集まっていました。
そこでは、誘導出産や促進剤の点滴をほぼしませんでしたし、出産後に赤ちゃんとママが離れることもなく、ほぼミルクも与えず、K2シロップはスプーンで飲ませていました。
自然の力で自分で産むこと(赤ちゃんが生まれてくること)、母乳で育てることが当たり前で、よっぽどのことがない限りミルクをあげないことが当たり前という考えの産科医院でした。
自然なお産と母乳育児を確立するために妊婦健診はほぼ助産師が担当していて、いろんな説明をしていました。
そこでの出産の時よく使っていたのが、三陰交のツボ刺激とお灸・足を温める足浴・保温するユタポンというものでした。
陣痛が弱いとお産の進行が停滞してしまい、ママの疲労も増してしまいますのでスムーズに進行するためにいろんな方法で補助をしていました。
基本的に医療行為はしていませんでしたので、助産師は産婦さん自身の力を引き出す援助をしていました。
今放送中のNHKの朝ドラで、主人公が学生時代に生理痛を緩和するとしてこの三陰交のツボをが効くことを話していたシーンがありました。
北九州の元同僚の助産師さんとこのドラマのシーンのことを話して少し盛り上がりました。
助産師として私は、三陰交のツボには敏感になってしまいます。