違いますよ、気絶してるのではありません
出産の現場で、陣痛が来ている産婦さんに付き添ったご主人が、陣痛の合間に奥さんがうとうとと眠りそうになった時「大丈夫か!?」と産婦さんに心配して声をかける方がいました。
そして産後に二人の会話で「気絶してたよね」というようなことを話してありました。
気絶ではなく脳内麻薬と呼ばれるβ-エンドルフィンが出ていたんです。
ヒトの身体機能は見事で、痛みを緩和する「脳内麻薬」と呼ばれるβ-エンドルフィンが放出される仕組みが整っています。
強い鎮痛効果があるこの物質は体の力が抜けてお産の進行がみられます。
他にも「気分の高揚」「満足感」「幸福感」が得られるとされています。
β-エンドルフィンは分娩開始から放出されますが、特に子宮口がすべて開いて赤ちゃんが娩出されるまでの時期と、その後の胎盤が娩出されるまでに多量に放出されます。
これは脳内で働く神経物質で、ストレスを低下させ恒常性を維持する役割があり、脳脊髄液を介して、身体の様々な部位に拡散します。
陣痛時に合間にゆっくり落ち着いている方は、この物質が出てうとうとできていて、私はいい感じだな、出産が進んできそうだな、と考え分娩の準備を始めていました。
出産に対して怖い思いを抱いているかもしれませんが、ずっと昔から続いてきた出産です。
ヒトの体はよくできています。
どうぞ落ち着いて呼吸に集中して痛みを乗り越えて痛みの合間は体の力を抜いて目を閉じて休んでください。
周りのご主人は奥さんが寝ていてもそっとしておいてくださいね。